犬も大切なものを隠しておくらしい。「地面に穴を掘って埋めておくことで食べ物が腐りにくくなったり、ほかの動物に横取りされるのを防ぐことができたりするからです。、、、ただしたいていの場合、当の犬も隠したことを忘れてしまうことが多いよう、、、。(犬のきもちp21)」
大切なものを隠すのも、隠したことすら忘れてしまうのも人と同じ、思わず笑みがこぼれる。
とにかく昔から、秘伝というのがどこにでもあるのも進化の歴史に根差すものに思えてしまう。
古事記が口伝で伝えられたのも大切な部分は文字では書き表せないからだと竹内宿禰氏が言っておられたのも、その根底に知られたくない、隠しておきたいという本能が潜んでいるのではないか。
体癖の著者野口春哉氏も多くの臨床経験から、人は本当に言いたいことは胸の奥にそっと隠しておく。体が緩んだ時にそれがポロっと出てしまうことがある。その内容は他の人から見れば「えっ!そんなこと?」と思ってしまうような些細なことだと言っている。私も同じような話を何度も聞いたことがある。そんなとき親近感が湧いてくる。「俺だけじゃない」
難しい話や専門的なことは案外誰にでも言える、たぶん自分を装えるから。とりとめのない会話というのは気を許せる人としか出来ない。訳もなく笑える時が一番幸せな気がする。
そういった意味で、おもてなしとはこうした場面を作ることではないかと個人的には思う。