葡萄畑の手伝い

今週の月曜から葡萄畑の手伝いが始まった。この年になって慣れない農作業をして本当に役に立つのかと思うのだが、先方は猫の手も借りたいぐらいのようでとにかく来てくれると助かるとのことだったので行ってみた。

ぶどう棚の上にビニールを掛ける作業なのだが、この際にビニールの両端を紐で止めなければならない。この紐結びというのが大の苦手の一つで”初っ端からこれかよ”と嘆きたくなった。

聞いて、見て、やってみる。これを何度繰り返しても要領を得ない。悪戦苦闘している間に他の人は黙々と作業を進めていく。焦る気持ちを抑えるのが仕事になってしまった。

おまけに畑は斜面に立っていてぎりぎり迄ぶどう棚があるので足場が何とも狭く、落ちないように気を付けなければならない。

その上に最大の脅威が風、午前11時ぐらいになると盆地を囲む斜面に容赦なく吹き込んでくる。そのためにビニールは凧の足のようにはためく。

これを脚立の上に乗って飛ばないように抑えておくのは結構な力技。よって人手を確保するのは難儀なことで、猫の手も借りたくなるのはわかる気がする。

作業は捗らなくてもエネルギーだけを消費していく。それに普段使わない筋肉を使うので、これがやけにハードな運動となる。家に帰ると体が悲鳴を上げるので、素粒子がどうのこうのなんて考えてる余裕はない。

30年以上、自分の仕事以外のことはほとんどやったことがなかった。最近になってやったこともないことをするようになると、まぁ自分の出来ることがどんなに限定されているのかが判る。当たり前のことかもしれないけど、それを知ることに喜びのようなものを感じる。

素直に”教えて”と聞くと20代の若者が何度でも快く教えてくれる。初めは恥ずかしかったが繰り返すうちにありがたく思えてくる。すると”ありがとう”の言葉が自然に口から出てくる。

この言葉は素晴らしい、ありがとうを言うと相手は笑顔で返してくれる。

筋肉痛と引き換えに心にエネルギーをチャージしてもらった。

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