このところ日が長くなり日差しも冬至のころに比べると随分と強くなってきた。二月はひと月の間に日長時間が約1時間伸びる。日が昇るのが1分早くなり日が落ちるのが1分遅くなるような具合で。そしてその間に自然は春に向けての準備を本格化する。植物も動物も生命活動のスタートダッシュに向けて、内的準備をこの時期に躍起になってやっていることになる。
「春が来たね、じゃぁ花を咲かせましょう」と言っても梅も桜も「はいそうですね」と直ぐに取りかかれるものではない。それ相応の準備が必要。李や桃の農家を見ても、もうとっくに選定作業をすませて、木が開花する準備をしているのを見守っている。
まだ聞こえないが猫が異性を求めて鳴きだすのもその前に生殖器の稼働を万全なものにしているから。
一年中生殖可能なのは人間だけの話で、ほとんどの動物は子育てのための餌が一番豊富な時期に出産する。自然界においては4月生まれもいれば11月生まれもいる誕生月がばらばらのようなことはない。
何が言いたいのかというと、二月は春に向けての準備が最も活発な時期であるということ。
春にはまだ遠いと思えるほどその気配はどこにも見当たらないのに、見えないところではものすごいスピードでその準備が繰り広げられている。
考えてみれば物事というものは、表に出てくるときには勝負はついている。商売にしても目に見えていないところで結果が先に出ていて、それからしばらくして表面化すると言われる。
よって世の中は一見平穏に見える裏で劇的な転換を行なっているなんてこともあるらしい。
ただしそれは後になってみなければ分からないことではあるけれど。何かそんなことが今起きているような気がしてならない、ただの勘でしかないが。
体の不調も同様で、春に調子が悪くなる人というのは秋から冬の時期に無理をしている。それが季節を跨いで春に現れる。静かに進行している時にはそのことに気がつかない。そうした目には映らない流れを意識しないと体質というものはなかなか改善されていかない。
病気はそれが発症する何年も前から静かに進行する。身をもってそのことを知ると勘はそれなりに働いてくる。